「ねぇねぇりっくん!そのバイク、ヤマト君のだよね?ヤマト君と2人でお店に行く予定なの?」
「そうですけど。」
「ねぇねぇねぇ!予定変更して、ますみとツーリングしてよぉ~♪りっくんがヤマト君のバイクを運転して、その後ろにますみを乗せて♪」
「はあ!?無理です!瑞希お兄ちゃんのところへ行きます!」
「じゃあじゃあ!お店に向かう間だけ、ますみの運転手してよぉ~!ヤマト君は、皇助さんのバイクに乗ればいいから!いいよね、皇助さん!?」
「わははははは!!凛助!!初代龍星軍命令だ!!」
(マジかよ!!)
先輩が言うことは、絶対服従・・・。
それが龍星軍の掟(おきて)。
ますみちゃんが甘えた声で百鬼に言えば、給油をしてもらっている百鬼がニヤつきながら私に言う。
「わははははは!!先輩の言うことが絶対なのは、賢い凛助ならわかってるよなぁ~!?」
「・・・・・わかりました。」
(仕方ない・・・そんなに長い距離でもないし。)
「やったー♪りっくんの後ろに乗車できるぅ~♪りっくんありがとーチュ♪」
「えっ!?ちょ、ますみちゃん!?」
完全な不意打ちだった。
げっそりとする私の頬に、シルキロールの上から,ますみちゃんがキスをする。
「こういうことは、人前でしないで下さい!てか、恋人でも彼氏でもない人にしないで下さい!」
「なによ!!モニカお姉様のキスは、素直に受けるくせに!!」
「それは・・・」
「不公平!!ますみも、チューする権利有るんだから!!チュ!」
「わっ!?またして!しかも、反対の頬にしないで下さいよ!!」
(瑞希お兄ちゃんからもらったシルキロールが汚れた!)
「安心して、りっくん♪ますみ、落ちにくいグロストリップ使ってるから、ますみのお顔はキレイなままよ♪」
「ますみちゃんはいいですよ!百鬼さん!!僕のシルキロール、キスマークついてませんか!?」
「わははははは!!黒色だからわかんねぇー!!」
「目立たなければいいという問題ではないのですよ!?」
「えーん!りっくん、ひどーい!ますみをバイ菌扱いするぅ~!」
「いや、そういうつもりでは――――――――!」
「ちょっとお客さん!こちらのお客様を泣かせる発言やめてあげて下さい!」
「へ!?」
気づけば、私にしがみつくますみちゃんの背後に、ガソリンスタンドのスタッフと客が集まっていた。
それも男ばっかり。
そんな野郎どもを代表して、店長のネームをつけた男性が叫ぶ。


