「渕上ルノアは不良なのですよ!?渕上ルノアと同じ不良を、私を散々いじめ抜いている、レ、レイプまでしようとした不良に―――――――不良という同じカテゴリーの方に、助けを求める気持ちには、なれません!!」
多少、へそ曲がりで偏見を持ってる女の子とは思われるだろう。
それでも、正体がバレるよりは1000倍マシ!!
「凛道蓮さんの助けはいりません!!私には船越師範がいますから!!」
もう一人の自分とのかかわりを、完全に拒絶した。
「い、いや!待って待ってお嬢ちゃん!凛道さんは、本当に立派な子なんだよ?いじめは滅ぼすって、常日頃から断言してるんだよ?」
(してねーよ!言ってねぇ!俺が言ってるのは、瑞希お兄ちゃん大好き♪だけだ!!)
「同じ不良と言っても、ピンからキリまであるんだよ、女子高生ちゃん!本当に凛道さんは、警察はもちろん、ぶっちゃけ教育委員会よりも強い子とも言えるんだよ?」
(誰だ!?そんなデマを流してる奴は!!)
「・・・タカ&トモさんには、本当に申し訳ないのですが――――――――私に必要なのは、不良じゃない人達です。」
「そいつは誤解だ!」
「偏見はよくない!俺達の話を、もっと詳しく聞いてくれたら、凛道君の良さもわか――――――!」
「やめな、2人共!!」
トモさんの言葉を船越師範が遮る。
「愛弟子、本当に凛道蓮の助けはいらないんだね?」
「辞退します!」
「わかった。愛弟子の意見を尊重しよう。」
「「師範!?」」
「うるさいよ、タカ&トモ!愛弟子の気持ちを優先するのが、一番大切なことだ。それだけ、いじめって犯罪は罪深いことなんだよ。」
「それは・・・」
「そうかもしれませんが・・・」
「それともあんた達!この船越春様じゃ、力不足だと言いたいのか!?」
「「言ってないです!言ってないです!」」
「だったら、引き続き、私の愛弟子を助けておくれ!愛弟子、今日はどこで降ろそうか?」
「あ・・・じゃあ、そこのコンビニで。」
そう伝えた場所は、ヤマトの家から一番近いコンビニ。
「わかった!頼むよ、タカ&トモ!」
「「了解っす!!」」
老女の指示を受け、コンビニの出入り口付近の駐車スペースに車を止めてくれるタカ&トモさん。


