彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




「愛弟子!明日は正門で待ち合わせだよ!」
「え?正門、ですか・・・?」
「尾行を巻こうと思ったら、適度に待ち合わせ場所も変えないとね!」
「・・・わかりました。よろしくお願いします。」
「「「OK―!」」」



(ノ、ノリ良いなー・・・・)



どうなることかと思ったが、渕上達の尾行はまくことができた。
しばらく走ったのち、私はヤマトの家の近くのバス停を指さしながら伝える。



「あそこで降ろして下さい。」
「行くあてはあるのかい!?」
「大丈夫です。」
「念のため、こいつを持っておきな!」
「え!?これ・・・」



渡されたのは、分厚い封筒。
思わず中身を見て、声を上げていた。



「い、一万円札の束じゃないですか!?」
「帰りはタクシー使って、家に帰りな!」
「受け取れません!」
「おや、師範に逆らうのかい!?愛弟子なら愛弟子らしく、師匠に甘えな!どうしてもあんたが気になるようなら、出世払いにしよう!それでどうだ!?」
「船越師範・・・。」

この人は・・・彼女は言いだしたら聞かない人だ。

頑固だけど世話好きで、損得なしで動く正直者。

だから、道場見学をした時に、この人から武術を習いたいと思ったんだっけな・・・。

「出世払いで、お借りします・・・!」



「わかればヨシ!止まれ!タカ&トモ!」
「「あいあいさー!」」



まるでどこかのアニメの女ボスと手下の男2人のように、息の合ったコンビネーションを見せる3人。
ほどなく車は急停止して、私が指定した場所で動かなくなる。



「愛弟子!また明日ね!」
「はい!船越師範も、タカ&トモさんも、ありがとうございました!」
「またね~お嬢ちゃん♪」
「気をつけてね~女子高生ちゃん♪」



ぺこりと私が頭を下げれば、クラクションを鳴らして走り去る普通車。
それを見ながら私は思う。





(あの車・・・・・・見た目は普通者だったけど、内装が改造車だった・・・。)

さすが走り屋のスカイハイ。

見た目はどこにでもありそうな車のふりをして、見えない部分でしっかりカスタマイズするのですね・・・。



「さてと・・・」





いつもだったら、ヤマトの家までたどりつくのに時間がかかるけど、今日はかなり早くつけそう。





(だって止まってもらった場所、ヤマトの家の目の前のバス停だもんね~♪)





軽い足取りで、コソコソと裏口からマンションに入り込む私。
実は壊れている防犯カメラの前を、足早に通過すると、エレベーターがちょうど止まっていた。





(ラッキー♪この分なら、予定よりたくさんの時間を、瑞希お兄ちゃんと過ごせそう♪)





上へボタンを押して、開いたエレベーターに乗り込むと、ヤマトが住む部屋のフロアのボタンを押した。