彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)




放課後、私はだれよりも早く教室を飛び出した。



(急げ!急げ!急げー!!)



走るのは禁止なので、早歩きで廊下を移動する。
限りなく羽柴屋になるように動いた。
階段は飛ばしながら駆け下り、下駄箱側のゴミ箱へ行く。



(あれ!?上履きがない!?)



いつもなら、私の上履きはここに捨てられている。



(まさか、今日に限って下駄箱にある!?)



足早に自分の下駄箱に近づいて開ければ、外履きの靴がそろって鎮座していた。





(私が録音してる期間は、いやがらせは中止ってこと?)





若干、イラっとしたが、素早く履き替えて、裏門へと向かった。
ふと、視界の端に、私を物陰から見ている中山の姿が映る。





(そういえばあいつ、無駄にすばしっこかったな・・・!)

だから私の尾行担当になったってか?





イライラが増したが、焦りの方が強かったので、地面に足をついた瞬間走った。





(こう見えても、運動神経は良い方なんだからね!お前には負けないわよ、クズ山!!)





中山を心の中でディスりながら、裏門へと到着する。
その直後だった。





「愛弟子―――――――――――――!!」

ブロロロロロン!!

「きゃ!?」





1台の普通車が後部座席のドアを開けながら、私に近づいてきた。





「飛び乗りな!」





そう言ったのは、後部座席の奥からブンブン手招きしてる船越師範。



「―――――――――はい!」



荷物を抱えて、スライディングする姿勢で飛び乗った。



バタン!!

「あ!?くっそー!!」



私が車に乗り込んでドアが閉まった直後、中山の悔しそうな声が聞こえた。
チラッと外を見れば、中山と数人の男子が地団太を踏んでいた。





(キモ!!ホントに私を尾行してたんだ・・・!!)



「愛弟子!お疲れ!」
「とんでもないです、船越師範。タカ&トモさん、ご足労頂き、ありがとうございます。」
「いーよ、いーよ、お嬢ちゃん!」
「俺ら、なんちゃって凛道蓮君活動中だから!」



(俺の話題を出すな――――――――――!!)



そうツッコミを入れたいのを我慢し、やんわりとした笑顔で答える。



「そ、そうなんですか~」



〔★凛はコメントを控えた★〕