「いじめの会話じゃなくて、仲良くしてる会話を、渕上達だったらしてきそうだ・・・。」
「うはははは!!そういうことや!凛に勉強教えてもらえへんのはつらいけど、尾行付きなら、期末テスト期間中は、わしの方へ来たらあかんで?」
「そうだな・・・俺の正体バレると、瑞希お兄ちゃんへの告白計画を、もう一度練り直さなければいけない・・・!」
「うはははは!!こんな時まで、瑞希はんかいな!?えーかげんにしなさーい♪」
「いいだろう!?真田瑞希様が俺のすべてなんだから!!」
「うはははは!!とりま、用心せいよー!ほなな~♪」
「あ、待って!ヤマト!」
「うはははは!!どないした!?さみしゅうなったかぁ~!?」
「そうじゃねぇーよ!教えてくれてありがとう!あと、テスト勉強の方だけど、『俺のスマホ』の方から、テストに出やすいところを送信する。だから、安心して勉強に励んでくれ!」
「・・・少しは自分の心配し―や。」
「え?」
ポンと、優しく頭に手を置くと、サングラスから両目をのぞかせながら言った。
「何が起こるかわからん状態なら、わしも龍星軍の13代目特攻隊長として、渕上ルノア達にかみつく覚悟でおるからぉ。」
「ヤマト!?」
「うはははは!!そうならんように、祈うとってやー!ほな、期末テスト明けまで、さいなら~♪」
わしゃわしゃと、私の頭をなでると、さっさとこちらに背を向けて去っていく気ままな関西男子。
「・・・・・参ったな・・・・」
普段とは違う様子の大親友に、今自分が置かれている状況が深刻だと痛感させられる。
「『俺』はちゃんと、『菅原凛』でいられるだろうか・・・?」
(・・・いや、いられるじゃない。『菅原凛』でいなくちゃいけないんだ!!)
自分の言葉を否定するように首を横に振る。
そして、廊下から窓の外を見れば、少しずつ生徒達が登校してきているのが見えた。
(気合入れ直そう。)
そう思い、1年B組の教室ではなく、すぐ近くの女子トイレへと入って行ったのだった。


