家を出て学校に到着し、下駄箱を見る。
相変わらず上履きは入っておらず、近くのゴミ箱の中に沈められていた。
(毎日毎日、暇なのかよ?)
『凛道蓮モード』になりつつも、無表情でゴミ箱から上履きを取り出して、汚れている部分を除菌シートでふいてキレイにする。
キレイになった上履きをはいていれば、ふと、人影が床に映っているのに気付いて顔を上げた。
「後藤先生!?」
「菅原さん・・・いつも、ゴミ箱に上履きを捨てられているの・・・?」
通常よりも30分早く登校していることもあり、校舎に他の生徒の姿はない。
だから余計に、困惑気味の後藤先生の声が大きく響いて聞こえた。
「菅原さん、こんな嫌がらせ、誰がしてるの?B組の誰?」
「・・・いつも捨てられていますが、犯人はわかりません。なによりも、B組のクラスメートがしているとは限りません。渕上さんの味方は全校生徒ですから、犯人の対象は全校生徒です。」
「――――――――なんてことなの!!」
そう言うなり、私を思いっきり抱きしめる後藤先生。
「ごめんね、ごめんね、菅原さん!もっと早く動いてあげてれば!」
「せ、先生!後藤先生、謝らないで下さい!後藤先生は何も悪くないです。もちろん、私も何も悪いことをしていないので悪くないです。悪いのは―――――」
「いじめをしている渕上ルノアさんと1年B組の生徒全員でしょう!?もうだまされないわ!」
そう言って、私をますます強く抱きしめる若い女性教諭。
「ご、後藤先生!私から離れて下さい!こんな風に抱き合ってる、親しい姿を他の生徒に見られたら、後藤先生までいじめの対象にされます!」
「かまわない。やれるもんならやってみればいいわ!」
「後藤先生・・・!」
思わず顔を上げれば、真剣な表情の後藤先生と目が合う。


