彼は高嶺のヤンキー様11(元ヤン)






エレベーターの前まで行くと、下のボタンを押し、家の戸締りを確認するヤマトに声をかける。





「ヤマト!早くしてください!!エレベーターがきます!!」
「うははは!いくらわしの家に盗むものがないとはいえ、戸締り万端はマナーや!少し落ち着きーや!」
「今この場で、くっそ重たいGSX1300Rハヤブサを運転できるのはあなただけでしょう!?早く!早く!」
「うははは!瑞希はんのこととなると、目の色も性格も変わり過ぎやわ~!」





そう言いながら俊敏な速足で私の元に着たタイミングで、エレベーターのドアが開いた。
それに乗り込むと、地下のボタンを押す私。



「うははは!今夜は平和やとええのぉー!?ビックボスが阪神にとってどんな存在になりそうか、凛とトークしたいからのぉー!」
「いや、新庄監督の話よりも、期末テストの勉強するのが先でしょう!?」
「うははは!そんなん、ヤマ教えてくれれば何とかなるやん!?凛先生~!」
「悪いけど、ヤマを張るのは苦手なんですよ。地道に、ヤマトが出来ない場所を攻略していきますよ。」
「うははは!厳しいのぉ~凛先生はー!」
「瑞希お兄ちゃんとの時間を削って、協力しようとしてるのですから当然です!」



そんなやり取りをしていたら地下につく。
すぐさま、ヤマトの腕をつかんでヤマトの単車であるGSX1300Rハヤブサの元へ行く。





「早くヤマト!早く早く!!」
「うははは!盗塁狙う阪神の選手みたいな焦りようやな~!?」





備え付けてあるヘルメットの1つを私がかぶり、バイクの後部座席にまたがる。
それに続くようにして、ヤマトがカギを差し込んでエンジンをかけて単車にまたがる。
あとは勢いよく、地下駐車場から【目的地】まで発進するのだった。