机に向かい、ノートにシャーペンを走らせる。
タブレットの練習問題とにらめっこをし、わからない場所は教科書アプリを見る。
その作業を繰り返していたら、部屋の扉をノックされた。



「凛、ご飯よ。」
「はーい、今行く。」



母の言葉で、私は勉強を中断した。



みなさん、こんにちは。
私は菅原凛。
あゆみが丘学園に通う16歳の女子高生です。
たった今まで、期末試験に向けての勉強をしていたところでした。



2階の自室から、1階に降り、食事をする部屋に入れば、すでに父親は着席していた。
私の顔を見るなり、お父さんは聞いてきた。



「凛、期末試験は順調か?」
「うん。大丈夫だと思う。」
「『思う』じゃなくて、そこは大丈夫と言える状態にしておきなさい。」
「ごめんなさい・・・。頑張るよ。」
「さあ、凛も来たことだし、食べましょう。」



イヤな気分で夕飯がスタートする。



「凛、今夜は夜食何がいい?」
「夕ご飯を食べてる時に聞く質問じゃないよ、お母さん。」
「というか、いつも通りチョコバナナで良いだろう?チョコとバナナには集中力を上げる即効性があるだろう?」
「あら、それならアーモンドチョコとバナナがいいよ!というか、ずっとチョコバナナとアーモンドチョコレートばかりだから、凛が糖質を摂りすぎてないか気になるわ!」
「それを調整するのが、母親の務めだろう?」
「はあ?男女平等の時代なんだから、父親が夜食を用意してもいいんだけど?あ、そうね!あなたは口だけで、出来ないわよね!」
「なんだその言い方は!?そんなに言うなら、俺ぐらい稼いでみろよ!」
「あなたが稼げるのは、私が名もなき家事までしてあげてるからじゃない!?」
「なんだその言い方は!?」
「そっちこそなによ!?」
「やめて!お父さん!お母さん!」



食事そっちのけで、口論を始める両親を止める。