あの日の好きが、まだ胸で息をしてるから、君にもう一度伝えたい

3年間って、長いようで短かった。



入学した日の桜も、あっという間に3回目の春を迎えた。



最後のホームルームが終わって、教室の黒板には『卒業おめでとう』の文字と、誰かが落書きした顔文字が並んでいた。



みんなが帰る準備をして、教室のあちこちで記念写真を撮り合ってる。



璃菜は、美奈と並んで制服の第二ボタンをふざけて引っ張り合ってた。



俺はそんな璃菜を、教室のドアの外からずっと見ていた。



ーー今日、言おう。



胸の奥で決めていたのに、喉がカラカラで声が出そうになかった。



「おーい」



声をかけてきたのは明弥だった。



「で、言うんだろ?今日」



「……ああ」



「おー、やっとかー」



明弥がわざとらしく笑う横で、璃菜との引っ張り合いを終えた美奈が俺を見つめてきた。



「凪くん、本当に言うんだ?」



ずっと隠してた気持ちを、今日だけは隠せない。



美奈と明弥に、璃菜のことが好きだって初めてちゃんと言ったとき、2人は笑った。



「だろうなー!」



「やっぱりー!」



そんな風に、全部お見通しだったらしい。



「……で、どうするの?」



「璃菜を、体育館裏に呼び出す」



「お一青春っぽ!」



「ちゃんと伝えてこいよ」



美奈と明弥が、同時に俺の背中を叩いた。



俺は深呼吸をしてから、璃菜に声をかけた。