あの日の好きが、まだ胸で息をしてるから、君にもう一度伝えたい

電話を切ったあと、私はしばらくスマホを握ったまま、天井を見上げていた。



凪くんの声が、頭の奥でずっと響いている。



『俺、お前が好きだ』



思い出すたびに、胸が苦しくなるのに、どうしようもなく、あたたかかった。



「……好きだよ」



小さく声に出してみる。



誰もいない部屋で、たった一言を口にするだけで、涙がにじんだ。



あのとき、卒業式の日に、すぐに言えなかった『好き』をこんなに素直に言える日が来るなんて思わなかった。



美奈や明弥、凪くんと過ごした高校生活。



あの時間が私の宝物だからこそ、失いたくなかった。



だから怖くて……だから返事をしなかった。



でも、もう怖がってばかりじゃいられない。