「ッ…私っ……確かに、轍くんは好きだけどッ………轍くんとは違う好きでッ…」
「うん」
「私ッ…好き、な人いるから……轍くんの気持ちにはぁッ……答えられませんッ」
「うん」
「ごめっなさ…」
俺は泣きじゃくる紫音の頭を撫でた
「知ってた」
「ふぇ?」
不思議そうにこちらを向く紫音
「紫音が俺じゃなくて他の奴好きなん知ってた」
「じゃぁ…」
なんで
という紫音の言葉を遮った
「やからこそ!!…紫音がそいつに思い伝える前に気持ち伝えたかった…」
そう…自分の気持ちを伝えたくて…
それが紫音を困らせる事ぐらい解ってた
だけどそれでも気持ち伝えたのは俺の気持ちを知ってほしかったから
結局自分のエゴでしかない
最低やな…
紫音は
“ごめんなさい”と言って屋上を飛び出した

