鈴原さんに二人から聞いたこと、二人の会話の印象を伝え、そして最後に沙耶ちゃんと明日会うことを言うと
『俺も一緒に行きます』と申し出てくれた。
「え……?でも明日日曜日ですよ。鈴原さんだってきっとご予定があるだろうし……さすがにそこまでは私の勝手に付き合ってもらうわけにはいきません」と一度はお断りするも

『予定はないので安心してください。それより沙耶さんが灯理さんに何かするとか……そうゆうのはあんまり考えてませんが、何と言うか、灯理さんがやろうとしてることはちょっと危険なことな気がして…』

まぁ実際、危険と言われればそうかもしれない。陽菜紀の死の真相を探ろうとしているわけだから。

「…では、お願いしても宜しいですか…?」本当に付き合わせるのが申し訳ないけれど、鈴原さんも一緒なら心強い。

沙耶ちゃんは私に攻撃的なことを何か言ったりしたりしてこないと分かっていても、今日の優ちゃんとの出来事を思い出すとどうしても足がすくむ。

その夜、私はいつも飲むハーブティーの代わりに少しだけお酒を飲むことにした。日常的に飲む習慣はないけれど、たまにちょっと飲みたくなる時用の為に常備してある缶ビールは冷蔵庫の中で長い間眠っていたせいか、かなり冷たくなっている。

グラスにビールを注ぎ入れると、勢いよく泡が立ちグラスから溢れそうになったところを

「っと…とと…」と慌てて口を付けた。口の周りに泡がくっつのが分かる。

そう言えば陽菜紀が言ってた。新婚旅行でアメリカに行った際、コンビニでビールを買ったら冷えてなかった、と。アメリカでは常温で飲むのが普通らしくそれに驚いた、とも。

陽菜紀はそのとき、こちらでは見たことがない香水のミニボトルセットをお土産でくれた。

「私も同じの買ったの。灯理とおソロだよ~」と楽しそうにしていた。確かあれも……四角い形をしていた……