先生と拒否柴系女子【本編】

 まさか、先生のほうからそんなことを頼まれるとは思わなかった。
「私は構わないけど、何を弾きたいの?」
「それも悩むところなんだよなぁ。ナナ・ムスクーリが歌ってた“愛の歓び”が候補のひとつで⋯⋯」
「うーん⋯⋯ぶっちゃけ、やめたほうがいいんじゃないですかね?あれって、愛の歓びはほんの束の間で、裏切られた苦しみが続く、みたいな内容だし」
「え!?俺、第二外国語は中国語だったから知らなかった⋯⋯止めてくれて助かったよ。うーん、何に変更しようかな」
「初心者だと、あんまり難しい曲もね⋯⋯。もしよかったら、私も選曲考えるけど」
「それは有難いな。俺も考えてみるけど、お願いしていい?」
「いいですよ」
 そんな経緯で、私は先生が友達の結婚式でピアノ演奏する曲を選び、ピアノレッスンまですることになった。
 思いつく曲を、ザっと書き出してみて、結婚式に不適切な内容ではないかチェックする。