先生と拒否柴系女子【本編】

 私がどこへやったのか忘れていたような写真を先生は見つけたようだ。
「そうですよ」
「へぇ⋯⋯ドレスアップして可愛い。中学時代?」
「いや、11才。最後のピアノの発表会ですよ」
「最後って?」
「私、地元ではピアノができたの。だから、親がその気になって、私を音大に行かせたがったけど、田舎町のピアノ教室で習ってるだけで音大に行くのは難しいってこと、小学生の私のほうがわかってた」
「夢、諦めちゃったのか?」
「ううん。夢どころか、私は練習が嫌で、早くやめたかった。私がストイックと程遠い性格なのは、先生もよく知ってるでしょ?」
「まぁ、それは⋯⋯。でも、ピアノが弾けるんだ?初耳だな」
「もう何年も触ってないから、昔みたいにはいかないけどね」
「そうそう。期せずして、友達の結婚式の余興で、ピアノ演奏にチャレンジしようと思ってたんだけど、独学だと難しくて⋯⋯もしよかったら、教えてくれないか?」