先生と拒否柴系女子【本編】


「こんな遅くに女子が一人で歩いてたら危ない。自宅まで送るよ」
 いやいや、危ないのはアナタじゃないか?
 丁度、空車のタクシーがこっちに向かって走ってきたので、さっと手をあげる。
「おいおい!どこ行くんだ!?」
 彼は慌てたように尋ねるが、
「忘れ物したんで!」
 そう言って、タクシーに乗り込むと、運転手に早く出してくれと頼む。
 走り出した車から後ろを見遣ると、彼は流石に追いかけてくることはなかった。
 タクシーには、周囲をひとまわりして自宅まで送ってもらうことに。
 全く⋯⋯!思わず舌打ちしてしまう。
 タクシー代をケチって、大嫌いな満員電車に揺られて帰ってきたのに、結局は意味もなくタクシーに乗ることになってしまったではないか。
 それにしても、彼は誰だったのだろう。
 千沢さん、と呼ばれたから、ナンパではなさそうだが⋯⋯。