先生と拒否柴系女子【本編】

「もしかして、千沢さんじゃない?」
 こんな夜遅くに、知らない男から声をかけられると、一瞬ヒヤリとする。
 信号待ちをしていた私に声をかけてきたのは、マウンテンバイクに跨った、25歳ぐらいの若い男性だった。
 私を知っているようだが、誰だろう⋯⋯?
「こんばんはぁ」
 とりあえず、愛想笑いでそう返しておけば問題ない。
「こんな遅くにどうした?予備校帰り⋯⋯ではなさそうだけど」
 学校の関係者だろうか?そうだとしたら、逆サバを読んでのゲイバー帰りだなんて、口が裂けても言えやしない。
「あー⋯⋯ちょっと夜の散歩に」
「散歩?その割には、かなり歩きにくそうな靴だな」
 彼は、私のパンプスを見て言った。
 信号が青に変わる。
 自転車で走り去っていくものかと思いきや、彼は自転車を引いたまま歩く。
「家、この近くなのか?」
 そんなこと聞かれても⋯⋯誰!?