「冬弥、今日の13時に話がある。親父の部屋に来い。」

雅人が朝早く、冬弥の部屋に来て言った。


「分かりました。」


雅人が珍しく冬弥の部屋に入ってくる。

「昔はよく、お互いの部屋行き来してたな。」

「そうですね。あの頃は身分をわきまえず、すみません。」

冬弥は話す。

幼い頃は雅人の部屋でゲームなんかもよくした。中学生ぐらいになってお互いの身分を理解するようになってからは、冬弥が雅人の部屋に行くことはなくなっていた。


「俺は楽しかったよ。お前とゲームするの。お前歳下なのにめっちゃ上手くてさ。こいつには絶対負けないって思ってたわ。」

雅人は懐かしむように話す。

「俺も楽しかったです。」


「そうか。」


雅人はそう呟くと、冬弥の肩をぽんと叩いて出ていった。