「雪菜、起きた?」

「…はい。」

雪菜が目を開けると冬弥が声をかけてきた。
睡眠薬の効果が薄れて、意識がハッキリしてきた。


「痛くない?」

冬弥が心配そうに話す。

「痛くないです。」


雪菜の言葉に冬弥が優しく微笑む。


「水でも飲むか。」

冬弥がそう言ったので、雪菜はベッドの上でうつ伏せの状態から起き上がろうとする。


「いたっ…。!!」

動いたことで背中に激痛が走る。


「大丈夫か??バカだなぁ。背中を切ったんだ。そんな急に動いたら痛いに決まってんだろ。」

「そうですよね……。」

雪菜は涙目になりながら言う。


横になってろと言われ、雪菜は大人しく、寝転がる。


動いた衝撃でズキンズキンと背中が痛む。
雪菜は痛みに耐えるように唇を噛んで、目を閉じる。


「やっぱり痛むよな。痛み止めいれるわ。」

そう言って、雪菜の点滴管の側管から、鎮痛剤を入れる。

「もう少ししたら、痛みなくなるから。」

冬弥はそう言って、痛みで力の入った雪菜の手を優しく撫でる。


痛みがとれてくる……
雪菜の体の力が抜けていく。