台所にいる2人には話が聞こえてたようで、治療頑張ってと背中を押してもらった。

「雪菜は今自分がいる部屋の方が落ち着くよな?」

「…はい。」

「分かった。あの部屋も診療部屋だから、治療できるんだ。ただ、今は治療の器具とか薬とか置いてないから、持っていくわ。出来るだけ清潔な状態でやりたいから、シャワー浴びて待ってて。」

「分かりました。」

雪菜はそう言って自分の部屋に向かう。

1人でシャワーを浴びていると次第に胸がバクバクと緊張してくる。


シャワー室から出ると、冬弥が準備をして待っていた。ベッドのシーツは替えられていて、上にはブルーのシートが引かれていた。

はさみや注射、ガーゼなどもたくさん置いてある。これを今から自分に使うんだと思うとやっぱり怖くなる。


「緊張してる??大丈夫だ!!手術中はしっかり薬入れるから痛くない。」


雪菜は上着を脱ぐように言われる。

男の人の前で脱ぐことには抵抗があり、モジモジしていると、


「これは治療だから。恥ずかしくないよ。」


冬弥に優しく言われて、上着を脱ぎ、ベッドに横たわる。