「もうすぐ、学校始まるんだな。授業頑張れよ!
喘息の薬も渡しとくけど、向こうでの生活慣れてきたら、病院受診しろよ。元気でな!!

あと、背中のマークのことだけ………」






「冬弥さん…………















……………………………好きです。」


雪菜はそう言って、冬弥の胸に顔を埋めて抱きつく。

冬弥が急にお別れの挨拶のような話をするから、寂しくてたまらなくなる。学校に行けるのは嬉しい。だけど冬弥ともう2度と会えないなんて耐えられないと思った。
別れないといけないのは分かってるけど、もう自分の気持ちを抑えられなかった。






「冬弥さん、離れたくないです……。
もう会えなくなるなんて、辛くて無理です。」


雪菜は顔を埋めたまま囁く。




冬弥は驚くとともに、雪菜をぎゅっと抱きしめる。



「ありがとな。」

冬弥がそう言うと、雪菜はそっと顔を上げる。


「冬弥……さん……。」


「雪菜、おまえは絶対幸せになれるよ。大丈夫!!雪菜の世界でこれからたくさんのいいことが待ってる。
誰よりも応援してるから。」


雪菜の目に涙がたまる。


「冬弥さん……。」

雪菜はそう言って、ぎゅっと抱き締めようとしたが、冬弥が離す。


「雪菜には俺みたいな人間はもったいない。でも嬉しかった。雪菜と出会えて俺は幸せだった。」


冬弥はそう言って、雪菜の唇にキスをした。