｢雪菜めっちゃかわいいーー！！｣

桜がハイテンションで話す。
雪菜の白い肌に薄いピンクのカーディガンがばえる。
すらっとしたスタイルの雪菜が動くと白いフレアスカートがなびく。

｢どうせなら髪も結んじゃおうよ｣

雪菜は両サイドに編み込みを入れて、ピンクのバレッタを後ろにとめる。

｢これはやばいね。可愛いすぎるわ…。私センスありすぎ笑｣

｢桜ちゃん、かわいい！｣

真希もニッコリ微笑んだ。


｢雪菜、冬弥の所連れていきますね。｣

桜は真希に行って、台所を出る。



真希はフゥーーと息を吐く。

冬弥のことを想う。
冬弥は大介が3歳の頃に拾ってきた子だった。拾ったと言うより、京極組の玄関の前で倒れていたのを仕事から帰った大介が見つけたのだ。

たくさん叩かれ、ぶたれた後があった。
どこから来たの？なんでここにいたの？
と聞いても何も言わない。

名前を聞くとないと言う。


知らない子を育てる義理もないし、児童養護施設に渡そうという話になった。


その時初めて、施設は絶対に嫌だと言った。


何故なのかは今でも分からない。育てていた親に言われてたのか、施設で苦い経験があったからなのか。


ここは施設より厳しい世界だと言ってもここがいいと言うので、育てることになった。