「暮らしのことだが、児童養護施設になると思う。雪菜ちゃんはまだ16歳で1人で生活はできない。安全のためにも頼る人間がいないのなら、施設に入った方がいい。
まあ、この件についてはこちらで場所をみておく。」

「…ありがとうございます。」


施設に入るのは当然だ。身寄りのいない16歳が1人で生きていけるはずがない。
ただ、施設で上手くやっていけるだろうか。
ここの人達はみんないい人だった。
新たな環境に行くことを不安に思ってしまう。


「あと、最後にだが、ここで生活していたことは誰にも言うな。一般人が極道と繋がりがあったことがバレると色々まずい。
他の組に狙われる可能性もあるし、進学が出来なくなるなんてこともある。学校や施設にもこの期間は療養していたとして、ここにいたことは明記しない。」


「分かりました。」

「なにか聞きたいことあるか?」

大介が雪菜を見て言う。


「いえ、何もありません。
助けていただき、匿っていただき本当にありがとうございました。あと1ヶ月ほどですが、よろしくお願いします!!」

雪菜はまた頭を下げる。


「こちらこそよろしくな。あと、もう部屋の中は自由に歩いていいよ。」


「分かりました。ありがとうございます。」

部屋を自由に動けることは嬉しい。
あと1ヶ月、お世話になった分、たくさんお返しできるよう頑張って働こうと思った。