｢あの人たちはどうなるんですか？｣

雪菜は不安そうに尋ねる。


｢まだ分からない。親父さんが決めることだからな。｣

｢……そうですか。｣

雪菜はつぶやく。


｢雪菜が気にすることじゃない。犯罪行為をしてるアイツらが悪いんだから。｣

｢……そうですよね。そうですよ。｣

雪菜は自分に言い聞かせるように話す。

｢今日は疲れたろ。まだ横になってな。｣

冬弥はそう言って、雪菜を支えてゆっくり寝転がす。


｢晩御飯！！！作らなきゃです。｣

雪菜は突然思い出したかのように言い、起き上がろうとする。


｢今何時だと思ってる。もう夜中の11時だ。｣

｢えっ。｣

冬弥が両肩を抑えて止める。
雪菜が時計を見る。襲われた時はまだ16時頃だったはず。かなりの時間寝ていたことになる……。

｢長い間すみません。冬弥さんだって疲れてるのに…。晩御飯食べました？？｣

雪菜が申し訳なさそうにする。

｢俺の事はいいから。今は自分のこと考えろよ。｣

冬弥はそう言って、頭を撫でる。


｢絶対食べてないじゃないですか…。すみません…。｣

｢そんなことはいいんだよ。それより今はもう夜ってこと分かったろ？早く寝ろ。｣

冬弥は雪菜に布団を首下まで被せて、布団の上からトントンとする。


｢冬弥さん！私はもう子どもじゃないです！！｣

雪菜は恥ずかしくて顔を赤くしながら言う。

｢そうか？お前まだ16だろ。子供だよ。
今日はいいんだよ。｣

そう言って冬弥はトントンを続ける。
雪菜は恥ずかしかったものの、心地よく、ゆっくり眠りについた。