雪菜は目を開ける。

そこにはもう見慣れた天井が広がっていた。

「雪菜、苦しくないか?」

冬弥が心配そうに見つめる。

「大丈夫です。」

雪菜の表情を見て、冬弥は少し安心したように微笑む。


「あの…私…」

「意識失ったんだ。それでここに運んだ。」


雪菜は少しずつあの時の光景を思い出す。
雪菜の顔色が曇る。

「怖い思いさせて悪かったな。ここは安心だって言ったのに。」

そう言って、冬弥が少し辛そうな顔をする。



「そんなことないです!!冬弥さんは守ってくれたし、助けてくれました。感謝してもしきれません。
私こそ、取り乱してごめんなさい……。」


雪菜は起き上がって、ベットに座りながら言う。


「無事でよかった。もう怖い思いはさせないから。」

冬弥はそう言って、ぎゅっと抱きしめた。

冬弥に抱きしめられると安心する。
雪菜の中の暗闇が晴れていくような気がした。