朝食の時間が終わり、食堂で3人でご飯を食べる。
雪菜はこの休憩の時間が楽しくて好きになっていた。


雅人、真也、そして、竜也と冬弥あと他の組員3人が入ってきた。
組員の1人と竜也は大きなダンボールを持っていた。

雪菜は突然の訪問に驚き、頭を下げる。

おそらく真希か桜に用事なんだろうと思い、お茶でも出そうと椅子から立ち、台所に向かおうとする。


「雪菜ちゃん、今日は君に話がある。」

雅人に呼び止められて、ビクッとする。

「……私にですか?」

「このダンボール開けてほしい。」

「…分かりました。」

なぜこのメンバーの中、自分が開封するのか不思議に思うが、言われたようにダンボールを開ける。



えっ……うそ……なんで……


そこには雪菜が毎日使っていた高校の教科書が入っていた。

他にも雪菜の使ってたカバンや筆箱、恵美にお揃いと言ってもらったキーホルダーもあった。


そして両親が笑う写真立ても。

「雪菜ちゃんが家に置いたままの物を取ってきた。ほとんど全て回収できたと思うんだけど……。」

雪菜は衝撃で言葉が出ない……。


「雪菜…大丈夫??」

桜が声をかける。


「あっ…ありがとう…ございます。」

雪菜は写真立てを抱きしめながら、頭を下げる。

「なんとお礼を言ったらいいか、分かりません。ありがとう…ござい…」

雪菜は後ろを向く。嬉しくて、涙が零れて止まらない。
雪菜は涙を抑えないとと思い、何度も手で涙をふく。


「雪菜ー泣」

桜が涙する雪菜をぎゅっと抱きしめる。
桜の温もりに雪菜はまた涙が溢れる。

その光景をみんなが優しく見守った。