雪菜はふと目が覚める。

今何時かと確認するとまだ夜中の2時だった。

部屋に別の人の呼吸音が聞こえる。

雪菜は慌てて見ると、そこにはベッドの下で横たわる冬弥がいた。


雪菜は昨日のことを思い出す。冬弥が薬を渡しに来てくれて離れがたくなり、引き止め、絵を描いてもらって、そのまま泣き腫らした……

そこから記憶がないということは、泣き疲れて寝た雪菜を冬弥がベッドに運んだのだろう。


ヤバい、恥ずかしがる……

雪菜は自分の顔が真っ赤になるのがわかった。

どうして、こんなことしてしまったのか……

不安な気持ちが強かったが、冬弥がいると安心できた。



眠る冬弥の顔を見る。

まつ毛が長く、鼻が高い。
いつもは大人っぽいが、眠る姿はかわいい。

最近気づいたのだが、冬弥はかっこいい。
遠目からでも冬弥がいればいつも分かる。

近くにいたい、話したいと必要以上に思ってしまう。
だけどなぜか自然に話しかけられない。

でも話せた時は心地よく、嬉しい気持ちになる。


えっ…………




もしかして…………





好きになってる…………



雪菜はハッとする。
こんな気持ち初めてだ。


冬弥と恋愛なんて上手くいくはずがない。
だって彼は極道の人間だ。


私は絶対成就することのない恋をしてしまった……