「明日から、夏休みじゃん!みんなで遊ぼうよ!」

昼休みのご飯中、そんな話題になる。

雪菜は夏休み期間は9時から17時までバイト。休み期間はいつも以上にお金をいれるように言われてきた。

なので高校生になってから、友達とお出かけなんてたった1度もしたことがない。

部活をやって、その後みんなでファミレスでご飯、カラオケなども憧れないなんて言えば嘘になる。雪菜はスマホさえ持たせてはもらっていない。だからクラスのグループ連絡にも入っていない。
恵美が何かあれば翌日に教えてくれるので、内容を知れてはいるのだが。

「私らももう高2じゃん!恋愛したいよー。彼氏欲しい!!彼氏と夏祭りとか行きたすぎる。」

みんな盛り上がる。

「雪菜はさ、彼氏作んないの?この前さ、イケメン先輩に告られてたじゃん!!そもそもどんな人がタイプなの?」

雪菜は155cmのやや小柄で、髪はロングストレート。目は少したれ目で大きく、色白のかわいらしい容姿である。

「うーん。今は恋愛はいいかなって感じ。」

「雪菜、かわいいのにもったいないよねー。学年一の美人なのに。」

雪菜はスマホを持っていないこともあり、SNSはやっていない。美人で優しいが、少し影のある部分がミステリアスにうつり、男の子から人気がある。

モテるのに恋愛に興味がなく、鼻にかけないところが女の子から人気の理由だろう。