雪菜の1日は忙しい。
朝4時に起きて1時間勉強し、洗濯、朝食、お弁当を準備する。
みんなを6時半に起こして、朝食を温かい状態でだす。
もちろん雪菜はご飯を一緒には食べさせてもらえないので、自室で食べている。
片付けをし、掃除をしてから8時くらいに家を出る。

学校で授業を受け、買い物をして、17時頃帰宅して、晩御飯を作る。
それぞれ帰ってきた時間に合わせてご飯を出し、片付けて、お風呂はもちろん最後につかる。

家事の合間に宿題をする。

土日祝日は9時から17時までバイト。
毎月食事代、学費は家にいれるよう言われているので、ほとんど手元には残らない。

両親が亡くなり、頼れる人がいなかった時、叔父夫婦がめんどうをみてくれると言ってくれた時はほっとした気持ちになったのを覚えている。

ただ実際は家族というより使用人のような扱いを受けた。
叔父は自営業をしており、1度大きく利益を増やしたことがあった。それと共に叔父夫妻と娘は散財。お金持ちをみせつけるかのように高級品を身にまとった。


雪菜にはブランドなんて何一つ買ってはくれなかったが、体裁を気にする夫婦のため、最低限の物は与えてくれた。

事業が傾きだしたのは雪菜が高校に入学してすぐの頃だった。叔父の機嫌が悪くなり、雪菜にも働けと言うようになった。ただ、1度いい思いをすればその生活を辞められない。変わらず散財を繰り返していた。

最近、怖い感じの男の人が家にやってくる。何を話してるのかまでは分からないが、怒鳴り声が響いた。
おそらく借金取りだろうと予想できるが雪菜にできることはなく、びくびくと過ごしている。