｢冬弥やっほー。
雪菜も来たのか！！｣

京極組の屋敷に行くと雅人の子供の5歳の蓮司が玄関から飛び出してきて、話しかける。

｢蓮司、元気にしてたか？｣

｢おー！おらはいちゅでも元気だ！｣

イタズラ坊主の蓮司の頭を冬弥が撫でる。

｢冬弥、雪菜ちゃん。ありがとうな。｣
雅人が2人に話しかける。


｢雪菜ー、冬弥ー久しぶり！！｣
後ろから出てきた桜が言う。


開業医になってから、冬弥にはやりたいことがあった。
京極組の人達の健康診断をすること。

極道の人間はしんどくなったら、雇っている医者に診察してもらうが、なかなか気軽には病院に足を運べない。

医学部で勉強し、医者として働く中で病気の早期発見がいかに大切かを学んだ。


なので組員やその家族の健康診断を組の屋敷でやることにした。身体計測に血液検査や血圧測定、尿検査そして診察。
雪菜と冬弥が2人で行う。
雪菜が採血や血圧を測り、冬弥が血液検査や尿検査の結果を踏まえて診察する。
身長体重は各々測定してもらい、結果は冬弥に見せるスタイルだ。


年に1回、2日間かけて行う。

去年に続き、今回は2回目だ。


冬弥のクリニックで使っている機械を持ち込む。
全部無料で行っているのだ。


医学部や勤務医時代は極道との関わりはもてなかったが、自営業になってから、時間やしがらみが緩くなったこともあり、始めた。