昼休みになり、恵美に誘われて今まで一緒に食べてた友達と昼食をとる。


今はホテル暮らしのため、昼食は冬弥がコンビニで買ってくれたおにぎりを頬張る。



「雪菜がコンビニ飯なんて珍しい。いつもお弁当なのに!!」


友達が話す。



「雪菜、体調大丈夫なの?」


みんな久しぶりの雪菜を心配そうに見つめる。


「体調は大丈夫。もう良くなったから!ありがとうね。」


雪菜の朗らかな表情を見て、みんな安堵する。


「なんかさ、雪菜かわいくなってない?元々かわいかったけど、なんか色気出たっていうかー。」

「あっわかる!!表情も明るくなってる気がするし、もしかして彼氏でも出来た?
あっでも療養してたんだもんね。そんなわけないか…。」


図星をつかれて、雪菜は顔を赤くする。


「えっまじ??彼氏できたの??」


友達が驚いて追求してくる。みんなの目線が一斉に雪菜に集まる。


雪菜は小さく縦に頷いた。



「うそーーーー!!どんな人よ!!!
雪菜、療養中に何してたの!!!」


「あんなに男に興味なかった雪菜をしとめた男めっちゃ気になる!!
てかどうやって知り合ったの??」


友達の声が教室中に響きわたる。



必ず冬弥の存在を聞かれると見越していたため、出会った架空の設定をたてていた。


雪菜が持病の喘息で入院しており、体力が落ちていたのでリハビリに励んでいる頃、職場で怪我をした冬弥とリハビリ室で出会い、意気投合する。

雪菜は叔父夫婦とあまり上手くいっておらず、その様子を見た冬弥に一緒に暮らそうと誘われる。


冬弥は前職を辞めて、入院した経験から医師を志したいと思う。なので今はアルバイトしながら勉強する生活を送っている。


あまりに遠い設定にしてしまうとややこしくなるので、若干本当の話も踏まえつつ考えた。


冬弥も今後、雪菜の存在を聞かれた際、こう答えることにしている。



「そんな事もあるのかー。すごーい!」

「いいなー。羨ましい!」

みんな興奮気味に話す。



その後もみんなの質問は続いた。