｢雪菜、起きろよ！｣


あの後、雪菜が目を覚ますことはなかった。

冬弥は眠りについたままの雪菜に声をかける。


｢冬弥……さん？？｣

寝ぼけた声で雪菜は言う。



｢そう。今日から学校だろ。遅刻するぞ。｣


雪菜は天井を見つめ、昨日から冬弥と生活を始めたことを思い出す。


｢そうでした！今日から学校だ。やばい！！寝坊しました！！｣

雪菜は慌てて、起き上がる。



｢きゃあー！！｣


雪菜は何も着ていない自分に驚き、慌てて胸元を隠す。


｢何を今さら。昨日全身見たから恥ずかしがるなよ！｣

冬弥がニヤッとした表情で言う。


雪菜は体全部が赤く染まっていくのがわかる。



｢シャワー浴びてこい。まだ時間は間に合うから。昨日買った朝飯食って、行くんだろ。｣


｢……はい。こっち見ないでくださいね。｣

雪菜はそう言って、服を持って急いでシャワー室に向かった。