みんなに見送られて、2人は屋敷を出た。

しばらくはお互い無言で歩く。
彼らの優しい言葉達で胸がいっぱいになっていた。


駅に着くと、冬弥が雪菜に話しかける。

「今日から、よろしくな。」

「はい、よろしくお願いします。」

お互い見つめあって微笑んだ。


「あのー、私たち今日からどこに住むんですか?」

雪菜は今日からどうするのか何も聞いていなかった。冬弥に相談したら、ひとまずあてはあると言われただけだった。

「一様、昨日不動産の知り合いに連絡とったから、そこ内見してみる感じだなー。
さすがに今日からは住めないだろうから、何日かはホテル暮らしだろな。」


冬弥の言葉に雪菜は目を丸くする。


「ホテル暮らしですか!!そんなお金ないです。明日からでもバイトしないとって思ってたんですよ!」


「多少貯金あるから、何日かは暮らせる。まあいい暮らしは出来ないけどな笑」

冬弥はそう言って予約しているというホテルに向かった。