彼女は目が覚めるとやはり不安そうだった。

俺はぎゅっと抱きしめた。

少しでも安心させてあげたいと思った。
俺が抱きしめることで落ち着いた表情になることは自分が必要とされている気がして嬉しかった。


雪菜に晩御飯を食べたかと聞かれる。
こんな状況でも相手を気遣う雪菜を愛おしく思ったが、そんな風に思ってることがバレたくなくて、自分の心配をしろと言った。ただかわいくて頭を撫でてしまったが。

雪菜が辛そうにしていて、ご飯なんて喉を通らなかった。
本人には言わなかったが、何度もうなされていた。その度に起こしたのだが、1度目は開けるが、またすぐ眠りにつく。起きた様子からしてその事は覚えていなさそうだったのでよかったと思う。


もう夜中の11時だったし、まだ体の疲れがあるだろうから眠るように促す。

雪菜が眠れるのか不安そうだったので、布団をかけ、上からトントンとしてやる。

子供じゃないと恥ずかしがる雪菜だったが、彼女のそういう仕草はまだまだ幼さが残る。

彼女の大きな瞳が少しずつ閉じられていく。
彼女の少し安心した表情で眠る姿をみて、俺もベッドにもたれたまま眠りについた。