近くて遠い幼なじみの恋~私の大好き過ぎる片思い日和~

(心配かけてごめんね、あーちゃん)

25年も近くに居てなんで“好き”と伝え無かったんだろう。
でも、あんな心配そうな顔見れただけ幸せかも。

「俺が罰をうけるはずだったのに…何でお前なんだよ」

最初で最後にしたデートの時の冗談にあーちゃんは苦しんでる。

悲痛な声にゆっくりと大きく目を開けた。

“大丈夫だよ”って声の代わりにあーちゃんに触れたくて右手を出すとギブスで腕が上がらない。

左手には…点滴。

「待って、看護師さん呼ぶから」

あーちゃんに言われて返事の代わりに目を
パチパチさせた。


「血圧も心音も脳波も落ち着いてますし安心して大丈夫ですよ」

そう言う先生に母とあーちゃんは笑顔を
見せる。

「幸、良かったわね。本当一時はどうなるかと」

話に聞く限り事故の衝撃で割れたガラスが
身体中を傷つけて大量の出血と頭を強く打った衝撃で意識が戻らず1週間寝てたらしい。

「おじいちゃんとお父さんに連絡してくるね」

母はグスッと鼻を鳴らして花瓶を持ち病室を出て行った。

「おばさん凄く心配してたんだぞ。傷…残らなくて良かった」

静かに閉まる病室の扉を見ながらあーちゃんも泣きそうな顔で私の頭を撫でる。

「あーちゃん」

「何?」

「あーちゃん、」

「何だよ。ふっ」

何度も呼ぶ私を笑うあーちゃんはパイプ椅子に座り私の顔を覗き込んだ。

きっと今言わないと絶対後悔する。

「あーちゃん…好き」

小さく口から出た言葉にあーちゃんの目は
一瞬大きく見開いた。

「ごめん」

天井を見上げて出て来た言葉に軽くショックではあるけど分かってた当たり前の答え。

婚約者がいるからね。