近くて遠い幼なじみの恋~私の大好き過ぎる片思い日和~

「もうすぐ時間だね…」

買い物をしたわけじゃないけど一緒にお店を見て歩くだけでも楽しかった。

0時の閉館前。
お姫様に憧れる年齢ではないけど今日だけは今だけは記念の為に夢をみたい。

ー最後の観覧車。

手を引く私に嫌がらず付いて来てくれた
あーちゃんは手に力を込めたのが分かった。

「3年スイスに行く事にした」

外は夜景が綺麗なのに私達の乗った観覧車の中は静まり返った。

この間の1週間は本格的に行く為の下準備
だったと真っ直ぐ私に告げる。
その顔が真剣で本当に行くのだとショックをうける。

「あーちゃんの話したかった事ってそのこと?」

自分でも不思議と冷静な頭の中。

「あと、婚約者も一緒に」

さすがにガンと後頭部を殴られた感じ。
冷静さを取り戻す為にも観覧車から見える
夜景に目をやった。

凄く長く思える数十秒で「そっか」やっと
出て来た言葉の声が低すぎて自分でも驚く。

「響を大きくするにはこう言う結婚も考えてた」

あーちゃんにそんな事言われたら何も言えない。
地元の魚屋では政略みたいな結婚の相手になれないから。

「もう自分で朝起きれるし…だいじ」

大丈夫と言って安心させたいのに言葉にならない。