近くて遠い幼なじみの恋~私の大好き過ぎる片思い日和~

「そうだよな」

あーちゃんが何処を目指して運転してるか
分からない。
黙って運転するだけで携帯が鳴っても無視
してる。

ブーブー…

「あ、お母さん」

私の携帯が震えだして“母”の文字。

「スピーカーにして」

運転してるあーちゃんに指示されて指を
スライドさせた。

『悪いんだけど帰りに玉子買ってきて』

スピーカーを通して聞こえる呑気な母の声に少し恥ずかしくて窓の外を見る。

「おばさん、絢です」

『あらっ絢くん。幸は?』

「お母さん、居るよ」

恥ずかしい気持ちはあるけど仕方なく一応
居る事を意思表示。

「おばさん、今日さちは遅くなるから玉子
無理です」

『「え?」』

あーちゃんの言った事が私も母も意味が
分からない。

「申し訳ないけど玉子は俺が買って帰ります」

『ふふふっ。じゃあ高級な玉子お願い出来るかな?』

私は“帰りたくない”と思ったけど
あーちゃんが何考えてるのか分からない。

ただハンドルを握るあーちゃんを見つめるしかない。