近くて遠い幼なじみの恋~私の大好き過ぎる片思い日和~

タイミング悪い…
願えば願うほど悪循環!

「じいちゃん、もうすぐ退院だって」

「鰯(いわし)良かったなぁ。」

「柊(しゅう)ちゃん見舞いありがとな」

最近疲れからか血圧が上がって一旦入院してた祖父のお見舞いに来たのは良いけど
今、絶対会いたくなかった柊じいちゃんに
鉢合わせ中だ。

この人こそ響旅館大旦那でありあーちゃんの祖父の冷泉柊蔵(れいぜいしゅうぞう)

うちのじいちゃんの幼馴染。
ちなみに鰯とはじいちゃんの小さい頃からのあだ名。

「幸。久しぶりだな」

「柊じいちゃん、お久しぶりです」

お見合いをさせた張本人であるけどうちの
一番のお得意さんだからとにかく明るく笑顔で挨拶。

「いつ見ても幸は可愛い。明るくて笑顔も良い」

可愛がってくれてるはずなのに「婚約させやがって!」舌打ちしたいけど我慢。

「柊じいちゃんもお元気でなによりです。
じいちゃん、帰るね」

祖父の洗濯物を入れたバッグを持ち席を
立つ。

「何か聞きたい事があるじゃないのか?例えば、絢の事とか」

柊じいちゃんの人を見透かしたような顔、
大嫌い。

「別に無いよ」

絶対聞きたくない。
高級旅館の息子と魚屋の娘がどうなるわけでも無かったわけだし。

「まだまだ子供だったか2人共」

祖父と柊じいちゃんは2人顔を見合わせてケラケラ笑い出す。

「もう私25だよ。子供じゃない」

バカにしてる!
じいちゃん達からすれば子供だけど意味無く笑われて良い気はしない

「まあ良い。今度婚約披露パーティするから幸もおいで」

まだケラケラ笑う2人にイラッとしながら「じゃあね」と病室を飛び出した。