近くて遠い幼なじみの恋~私の大好き過ぎる片思い日和~

「佳奈がいるだろ。ったく、大輝のやつ」

いるけどさー!
つか、何で婚約者のいる男にイラつかれなきゃいけないの?
知らずに鯛を抱えて行った私の立場は?

「あーちゃんには関係ないじゃない。
自分の事で忙しいでしょ?
うちに来なくて良いっておばさんに伝言を
頼んだのに何でまたいるの?
本当に本当にもう意味わかんない!!」

痛い頭をフル回転させて言いたい事をまくし立てた。

「準備するから出て行って下さい!もう二度と部屋に入らないでね」

布団から出てベッドの縁に座り痛い頭を
抱えながら手でシッシッと追い払う。

今までこんなに強気になった事はない。
あーちゃん中心であーちゃんが大好きで…だから結納がショック。

だから距離を置いて忘れて行くしかない。

「ねえ、誘ってんの?」

「はい?」

頭を上げるとあーちゃんの顔が近付いてくるから私は後ろに下がろうとした。

「こんなの着て寝てた事ないだろ」

太ももを指でツーッと触れるか触れないかの際どい感じで上下させる。

「あぁぁ、あーちゃん‼」

見せる事はもう無いと思いながら着た
パジャマ代わりのセットアップ。

「触んないでよ!」
「こんな格好のさちが悪い」
「うるさいなー!結納した人が他の女にこんな事したらダメじゃない!!」

結納を口にした途端ピクッと動きを止めた。

「さち知ってたんだ」
「鯛、配達したもん」