近くて遠い幼なじみの恋~私の大好き過ぎる片思い日和~

「何か…ある?」

掛かって来た番号を暫くは登録出来ずに
見つめるだけだった。



あーちゃんが帰ってくる!

1週間は本当に長くて待ち遠しくて明日は買ったばかりのルームウェアで女子力効果を見せつけたい。

嬉しくて仕事も頑張れる!

「幸、響さんに配達頼む」

父親から渡された発砲スチロールの箱に不思議さを覚えた。
追加の魚は3時間前に届けたばかりでまた追加なんて普通はない。
注文ノートを見ても【響】と書いてあるから間違えでは無いと思う。

(急に宿泊客が増えたのかな?)

その時の私は単純にそう思っただけだった。

「これはあっちに」
「女将さんこれは?」
「あー、それは椿の間に」

なんか皆さんバタバタしてる?
今日3回目の裏口からの搬入に違和感を
感じる。

「あら、さっちゃん!いつも配達有難う」

女将さんでありあーちゃんのお母さんに声を掛けられて笑顔で会釈した。
あーちゃんの親とうちの親も同級生で私も
小さい頃からこのご両親には可愛がって貰ってる。

「あら、それ!鯛ね」

鯛?
発砲スチロールの中身を聞かずに持たされてまだ伝票も見て無かった。

「おめでたい事があるんですか?」

大層なお客様用なのかな。
たまに還暦祝いとかお祝い事で鯛の仕入れを頼まれる。