私は、瀬川レイ。
みんなが思うような可愛らしい少女ではない。
10歳の時から入院しており、今では、病院にいることが当たり前である。
両親は1ヶ月に一回会いに来てくれる。
だがしばらく会えないから愛着というものはとっくに消え失せていた。
そんな私には人の心を読む超能力があった。
超能力と言っても、自分では制御ができない。
その超能力とは『相手の心を読むこと』である。
私は、入院して暇で本を読み始めてから、この力が発動するようになった。
本を読んでいる時だけは、自分が病院にいる可哀想な少女ではなく、みんなと同じ元気に運動できて遊べる少女になれた気がした。
でもそんな想像も長くは続かない。
そうあの超能力のせいである。
まわりにいる看護師さんたちの『可哀想な子』という同情に近い、哀れみの心の声が聞こえてくる。そんな声が聞こえてくるから私はまた現実に連れ戻される。
またこれが当たり前であり日常だった。
1ヶ月に1回会いに来てくれる両親でさえ、最近は疲れが溜まっており、心の声が聞こえてくるのが嫌だった。
そんな親はいつも疲れを感じさせないようにか、笑顔を作る。
そんなの無駄なのに。
私は心が読めるから知ってるのに。
そんな両親に哀れみさえ覚えた。
こんなことなら、来なくてもいいのに