会いたくて逢いたくても彼はいない。~ Where Yesterday Sleeps(昨日が眠る場所)~

「やっぱ時間的に多いな」

どのお店もランチタイムは混みあって外には行列が出来てるお店もある。

「私は時間に余裕あるけど、どうする?」

「面倒だから待つ!」

この定食屋を数十分待つのと別のお店を
探す手間の時間を考えるとこの選択が妥当で
面倒臭がりの良哉も考えることは一緒らしい。

「どうせ光のこと聞きたいんでしょ?」

待つ間の会話で良哉の気持ちを探る。

光のことが入社当時から好きな良哉は光が婚約してしまっても忘れられない。

「いや、まぁ…」

こう言う恋愛の話となると男らしいのは私で女子みたいな考えは良哉の方。

「俺が心配する必要ないとは分かってるんだけど」

最近の光は社内に泊ることが多いくらい研究に集中してる。

良哉はそれが心配らしい。

光には婚約者も居るし“諦めないの?”と思うけど私にそれを言う資格はないし人の恋愛に口出してもね。

「でもあいつ集中すると飯も食わないし」

「だね。まぁ…今は元気そうだったよ」

人のゼリー平らげて怖いと言いながらテレビに釘付けだったし。

“無駄な心配”とは言わないでおこう。

「そうか!なら近いうちに時間合わてまた飲み会するか!」

ニカッと白い歯を見せて笑う。

「そうだね。私も時間空ける」

良哉につられて私も自然に笑みが漏れる。

あっさりとしつこくない良哉の性格は好き。
こんな彼だから一緒に居ても疲れない。

「あちらのお席にどうぞ」

席に通されてからのメニュー即決!
恋愛以外は本当に私達は無駄がない。

お互いとんと恋愛は上手く行かず拗らせ恋愛をしてるのに。

ホント似た者同士。