会いたくて逢いたくても彼はいない。~ Where Yesterday Sleeps(昨日が眠る場所)~

「全然違うでしょ!」

最終目的は“結婚”なんだから同じじゃない?

人を介するから第3者が居ることで面倒なことはあるけど私を求めてくれる人なら誰でも良い。

承認欲求が強いのとは違う。
ただとにかく過去を消したいだけ。

「莉桜って見かけと違ってメンタルがウルツァイト窒化ホウ素と一緒」

「光、それ誰も分かんないよ。理系脳すぎる」

「そうかな?」と光はゼリーをまた一口。

宇宙開発研究員の彼女だからこその言葉に課長と私は苦笑い。

ウルツァイト窒化ホウ素は地球上で一番硬いと言われてる物質。
高温でも安定してるからロケットの表面で使われるの材料の一部。

光の言いたいことを簡単に言うと…
お堅い人ってこと!

「恋愛は文系だし見かけも気にしてるから莉桜よりマシ!」

「長谷ちゃんはそうね。莉桜は…」

確かに光の白衣の下はスタイル抜群。
研究の為に社内でメイクはしてないけど素顔でも目鼻立ちがハッキリしてて十分美人。
恋愛も完璧で大手広告代理店勤務の婚約者がいる。

「光さんと違って私は平凡ですもんねー」

ベーと舌を出して軽く拗ねた振りをする。

「その顏はお見合いでしなさいよ」

本質の私はこんな可愛いキャラじゃない。
わざとやったのを一番分かってる二人はため息を吐いて真顔で私を見る。

「化粧も髪も服も気にしないからでしょ」

「見かけで判断する人嫌いだもん」

「莉桜の流されない性格なのは良い所なんだけどね…」

それ以上何も言わず「仕事しよ」と課長はコーヒーを飲み干し席を立った。

実際周りからの目も気にならないしそれに興味もない。

人との関わりも友人も最小限が一番!

周りから大人しいとか何考えてるか分からないとか言われてるけどそんな事なんてどうでも良い。