浅倉先輩と初めて会った場所で彼は星座のこと神話の話いろいろ教えてくれた。
学校で見せる彼の姿とは違って無邪気で子供っぽくてそんな彼に私は惹かれていた。
「そうですね。でも先輩は何も言わずに居なくなった」
先輩は「言えなかった」が正しい。
夏の暑い日、彼を乗せた車は飛び出した子供を避けてハンドルを切り反対車線を走って来た車と正面衝突してそのまま帰らぬ人になった。
「プラネタリウムのチケットを貰ってたんです」
「もしかして、さっきの…大事にしてたんじゃ?」
大事だったのはその時期まで。
今は何となくお守りになってた。
「先輩からのメッセージカードは…大事でした」
メッセージカードは最初で最後の直筆。
「一緒に行こうって迎えに行くって書いてあったんです。文武両道でイケメンなのに下手な星の絵が書いてて」
星の形が微妙でどうしたらこう書ける?と吹き出しちゃうやつ。
彼なりに笑いを取ったのか分からないけど思い出してまた自然と私に笑みがこぼれる。
「アイツ、絵に感しては致命的と言うか破壊的と言うか苦手だったもんな」
私の記憶からは全部消えずに残ってるのに
多分、浅倉先輩はもう忘れてる。
忘れてなければ一度くらい幽霊になってでも出てきてくれると思う。
「気になってる?」
そうかも知れない。
どんなに望んでももう逢えない。
中途半端な気持ちを残させた彼を殴ってやりたいとまだ思い続けてる。
「どうですかね」
本音は言えない。
「じゃあ、見つけに行こうか。彗を」
「壮大な思い出を辿るデート」と微笑む姿は先輩と同じで泣きたくなる気持ちを奥歯を噛みしめて隠した。
学校で見せる彼の姿とは違って無邪気で子供っぽくてそんな彼に私は惹かれていた。
「そうですね。でも先輩は何も言わずに居なくなった」
先輩は「言えなかった」が正しい。
夏の暑い日、彼を乗せた車は飛び出した子供を避けてハンドルを切り反対車線を走って来た車と正面衝突してそのまま帰らぬ人になった。
「プラネタリウムのチケットを貰ってたんです」
「もしかして、さっきの…大事にしてたんじゃ?」
大事だったのはその時期まで。
今は何となくお守りになってた。
「先輩からのメッセージカードは…大事でした」
メッセージカードは最初で最後の直筆。
「一緒に行こうって迎えに行くって書いてあったんです。文武両道でイケメンなのに下手な星の絵が書いてて」
星の形が微妙でどうしたらこう書ける?と吹き出しちゃうやつ。
彼なりに笑いを取ったのか分からないけど思い出してまた自然と私に笑みがこぼれる。
「アイツ、絵に感しては致命的と言うか破壊的と言うか苦手だったもんな」
私の記憶からは全部消えずに残ってるのに
多分、浅倉先輩はもう忘れてる。
忘れてなければ一度くらい幽霊になってでも出てきてくれると思う。
「気になってる?」
そうかも知れない。
どんなに望んでももう逢えない。
中途半端な気持ちを残させた彼を殴ってやりたいとまだ思い続けてる。
「どうですかね」
本音は言えない。
「じゃあ、見つけに行こうか。彗を」
「壮大な思い出を辿るデート」と微笑む姿は先輩と同じで泣きたくなる気持ちを奥歯を噛みしめて隠した。



