10分ほどかけて、私はその資料をじっくりと読んだ。
山口教授の言った通り。
そこには、私の知りたいことが書かれていた。
私のこと…そして、この施設のことも。
ここは、「竜人研究所」。
表向きは、「国立疫病研究センター」という名前で運営されている。
世界各地の疫病について、その予防法と治療法について研究する、という名目で。
更にこの建物は、大海原のど真ん中に、ぽつんと浮かぶ孤島のように。
周囲を、広い湖に囲まれているそうだ。
研究所以外の他の建物は、一切存在しない。
万が一、研究所から疫病が広がらないように、という表向きの配慮からだが。
本当は、この施設で研究している「竜人」の情報が、外に漏れないようにする為に。
わざわざ、巨大な湖のど真ん中に、施設を建設したのだ。
そこまでして、周囲の目を憚って、こそこそと、隠れるように。
この場所では、「竜人」を研究している。
そして…私が、その研究対象たる竜人。
竜人とは、一体何なのか。
山口教授が先程説明した通り…。簡単に言えば、竜の血を混ぜた人間、のことだ。
竜の血が混じった人間。だから竜人。…実にシンプルだ。
つまり私の身体の中にも、竜の血が流れてるってこと。
…全然、自覚はないけど。
だけど確かに、私の額には、2本のツノが生えている。
人間にツノは生えない。
これだけでも、私が普通の人間じゃないことは明らかだ。
この竜人研究所では、人間の受精卵に竜の血を混ぜ、人工的に竜人を造り出すという実験を行っている。
その実験の末に生まれた、119人目の成功検体。
それがこの私…皆宮ムリカ、という存在なのだ。
…119。
この数字を多いと見るか、少ないと見るか。
それでも竜人研究所では、119人の竜人を造り出す為に、並々ならぬ努力を重ねてきた。
竜人を製造する実験の成功率は、非常に低い。
これまで実験に使われた人間の受精卵は、何百、いや、何千個…それ以上にも及ぶだろう。
大抵の場合、人間は竜の血に耐えられない。
受精卵に竜の血を注いだ直後に、大半の個体が崩壊する。
崩壊せずに生き残ったとしても、更にその大半が、生まれてくるまでの数ヶ月の間に崩壊する。
受精卵の状態で竜の血を混ぜられてから、培養カプセルの中で数ヶ月を無事に過ごし。
生きて、この世に誕生することの出来る個体は、非常に稀だ。
私という存在は、まるで奇跡のような確率でこの世に存在しているのだ。
そう思うと、信じられないような…不思議な感覚がする。
自分がそんなに…特別な存在だとは思えない。
この研究所で生まれた竜人達は、研究の更なる発展の為に、ここで研究に協力している。
それが、私達竜人の存在意義…。
…そこまでは理解した。
じゃあ、どうして。
どうして山口教授を始め、この研究所に勤めている研究者達は。
竜人なんていう…人外生物を、そんな苦労をしてまで生み出そうとしているのか。
その点を、私は知りたかった。
そしてその答えは、ちゃんと資料の中に記されていた。
山口教授の言った通り。
そこには、私の知りたいことが書かれていた。
私のこと…そして、この施設のことも。
ここは、「竜人研究所」。
表向きは、「国立疫病研究センター」という名前で運営されている。
世界各地の疫病について、その予防法と治療法について研究する、という名目で。
更にこの建物は、大海原のど真ん中に、ぽつんと浮かぶ孤島のように。
周囲を、広い湖に囲まれているそうだ。
研究所以外の他の建物は、一切存在しない。
万が一、研究所から疫病が広がらないように、という表向きの配慮からだが。
本当は、この施設で研究している「竜人」の情報が、外に漏れないようにする為に。
わざわざ、巨大な湖のど真ん中に、施設を建設したのだ。
そこまでして、周囲の目を憚って、こそこそと、隠れるように。
この場所では、「竜人」を研究している。
そして…私が、その研究対象たる竜人。
竜人とは、一体何なのか。
山口教授が先程説明した通り…。簡単に言えば、竜の血を混ぜた人間、のことだ。
竜の血が混じった人間。だから竜人。…実にシンプルだ。
つまり私の身体の中にも、竜の血が流れてるってこと。
…全然、自覚はないけど。
だけど確かに、私の額には、2本のツノが生えている。
人間にツノは生えない。
これだけでも、私が普通の人間じゃないことは明らかだ。
この竜人研究所では、人間の受精卵に竜の血を混ぜ、人工的に竜人を造り出すという実験を行っている。
その実験の末に生まれた、119人目の成功検体。
それがこの私…皆宮ムリカ、という存在なのだ。
…119。
この数字を多いと見るか、少ないと見るか。
それでも竜人研究所では、119人の竜人を造り出す為に、並々ならぬ努力を重ねてきた。
竜人を製造する実験の成功率は、非常に低い。
これまで実験に使われた人間の受精卵は、何百、いや、何千個…それ以上にも及ぶだろう。
大抵の場合、人間は竜の血に耐えられない。
受精卵に竜の血を注いだ直後に、大半の個体が崩壊する。
崩壊せずに生き残ったとしても、更にその大半が、生まれてくるまでの数ヶ月の間に崩壊する。
受精卵の状態で竜の血を混ぜられてから、培養カプセルの中で数ヶ月を無事に過ごし。
生きて、この世に誕生することの出来る個体は、非常に稀だ。
私という存在は、まるで奇跡のような確率でこの世に存在しているのだ。
そう思うと、信じられないような…不思議な感覚がする。
自分がそんなに…特別な存在だとは思えない。
この研究所で生まれた竜人達は、研究の更なる発展の為に、ここで研究に協力している。
それが、私達竜人の存在意義…。
…そこまでは理解した。
じゃあ、どうして。
どうして山口教授を始め、この研究所に勤めている研究者達は。
竜人なんていう…人外生物を、そんな苦労をしてまで生み出そうとしているのか。
その点を、私は知りたかった。
そしてその答えは、ちゃんと資料の中に記されていた。


