私の中にあるモノ

…それで。

「あの…あなた達は?」

「…俺は、武藤(むとう)ムカチ」

「私は芦田(あしだ)ムガク。…この子は立葉(たてば)ムダナよ」

真ん中の男性は、武藤ムカチ。

右側の女の子は芦田ムガクで、もう一人の左側の小さな女の子は、立葉ムダナ。

「なんて呼べば良いかな…。…武藤くん?

「好きなように呼んでくれて構わない…。それより、皆宮」

「何?」

「相談したいことがあるんだ。…良いか?」

「あ…。…うん」

さっきも言ってたね。相談したいことがあるって…。

…何だろう?

「私、記憶をなくしてるけど…それでも良ければ」

「関係ないよ。さっきも言ったろ?…皆宮は皆宮だ」

「…うん。ありがとう」

「中庭に来てくれないか?…誰にも聞かれたくない」

「…?…良いけど…」

…そんな、大切な相談を。

記憶をなくした私にしちゃって、良いの?

「…私で大丈夫?此代…とかの方が…」

ずっと、私より相談相手に相応しいんじゃない?

しかし、武藤くんは。

「良いんだ。お前じゃなきゃ駄目なんだ…。誰よりもシンクロ率の高い成功検体である、お前じゃなきゃ…」

「わ、分かった…」

何だか、鬼気迫る口調で迫られ。

おっかなびっくり、私は武藤くん達と共に、中庭に出た。

…そういえば、記憶を失ってからというもの。

外の空気を吸うのは、これが初めてだ。