―――ガラッ―――


いつもと変わらぬ雰囲気。

「おはよー亜依っ!」

「おはぁー」

笑顔で駆け寄って来たのは

奈々と春乃。

2人とも、私の親友。


奈々はいかにも“今時”

って感じで

笑顔が似合う女の子。

春乃はアネゴ的な存在で

黒髪のロングヘアーが印象的。


「おはよ」

私は平然を装って

笑顔でそう答えた。

……でも今日は

顔が引きつってる気がして

……怖い。

私、変かな……。

普通に出来てるかな……。

そんな不安ばかりが

頭の中をよぎる。


「ねぇ亜依!聞いてよぉー」


――ほっ。


……ひとまず

顔には出てなかったみたい。

安心して、思わずため息をもらす。


奈々の話を軽く受け流し

私は教室を見渡した。


……あれ……?

……いない。

優喜が……いない。

一瞬、不安と恐怖心に駆られた。