――亜依――



翌日、私はいつも通り

学校へ向かった。

でも、何かが違う。

……あぁ、優喜がいないんだ。


……いつもの待ち合わせ場所。

いるはずないのに

現れるはずないのに

心のどこかで、探してる私。

諦めきれない自分が

情けなくてしょうがない。

いつも感じる緊張がないだけで

こんなにも不安だなんて……。

もう、2人で歩く道はない。

……そう思うと、足がすくむ。


(このまま帰っちゃおうかな)


……なんて

初めての感情を抱いたり。

今までは、何より大切な時間だった。

唯一、同じ空気を感じられる場所だった。

一緒にいられるだけで

幸せだった。


……でもそれが

今の私にとっては……苦しい。

胸が、押し潰されそうになる。


私達、どうなるのかな……。


そんな事を考えてるうちに、学校まで来ていた。

重い足取りで、教室まで向かう。