「意外な組み合わせ。もしかして大神も動物園に誘ったの?」
愛原が傍にいるからなのか、少し強気な態度の星崎。
天城は推しでも眺めているような表情で二人を迎え入れる。
「残念ながら振られちゃった。予定があるんだって」
残念そうな天城に、星崎は険しい表情を浮かべた。
「大神にクリスマスの予定があるとは思えないけどなー」
突然の嫌味。
ほぅ……。
何と言うか、最近の星崎は俺に容赦がない。
どうやって仕返ししてやろうか。
俺がほくそ笑むと、星崎が顔を引きつらせる。
今更後悔しても遅いぞ。
「天城に誘われなければお前だって予定無かっただろ。それとも、個人的に愛原を誘うつもりだったのか?」
「――っ!? お、お前、何言って――」
星崎の顔は完全に茹で上がった。
これで少しは星崎の気持ちが伝わるだろう――と、思っていたのだが、愛原は全く反応を示さない。ぼんやりと一点を見つめたまま微動だにしないのだ。
「愛原さん、大丈夫?」
天城が声をかけながら、愛原の顔の前で手をヒラヒラさせると、
「――わっ!? ごめん、ぼーっとしてた」
遠くへ行っていた意識が帰って来ると同時に、気まずそうに俺を見つめる。
あぁ、なるほど……。
「愛原、俺の予定の事は気にしなくていい」
「でも、何か手伝える事が――」
「大丈夫、俺が自分で解決しなければいけない事だから、愛原は動物園を存分に楽しめ」
「……うん」
納得してなさそうな不満気な頷き。
そんな愛原の背中を優しく押して、星崎に差し出した。
「星崎、頼んだぞ。愛原に何かあったらルミさんに殺されるからな」
「あ、あぁ、任せろ」
しどろもどろになりながら、頼りない返事をする星崎。
天城は満足そうに微笑む。
「じゃ、当日は隣街の駅まで愛原さんの事よろしくね」
「え、天城さん達は?」
「私も他の子も、自宅からだとバスの方が近いのよね。二人は電車の方が近いでしょ?」
「た、確かに……」
星崎はコクコクと何度も頷き、自分を落ち着かせているように見えた。
最近は気持ちが隠せなくなっているのか、反応が分かりやすくて面白い。
俺ですら気づく星崎の可笑しな言動。
それなのに、愛原が星崎を気にする様子は全く無く、心ここに非ずと言った様子で寂しげに笑っているだけ。
俺が二人の邪魔しているような気がして、罪悪感が込み上げた。
早く、アイツを見つけ出さないとな……。
**********
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愛原が傍にいるからなのか、少し強気な態度の星崎。
天城は推しでも眺めているような表情で二人を迎え入れる。
「残念ながら振られちゃった。予定があるんだって」
残念そうな天城に、星崎は険しい表情を浮かべた。
「大神にクリスマスの予定があるとは思えないけどなー」
突然の嫌味。
ほぅ……。
何と言うか、最近の星崎は俺に容赦がない。
どうやって仕返ししてやろうか。
俺がほくそ笑むと、星崎が顔を引きつらせる。
今更後悔しても遅いぞ。
「天城に誘われなければお前だって予定無かっただろ。それとも、個人的に愛原を誘うつもりだったのか?」
「――っ!? お、お前、何言って――」
星崎の顔は完全に茹で上がった。
これで少しは星崎の気持ちが伝わるだろう――と、思っていたのだが、愛原は全く反応を示さない。ぼんやりと一点を見つめたまま微動だにしないのだ。
「愛原さん、大丈夫?」
天城が声をかけながら、愛原の顔の前で手をヒラヒラさせると、
「――わっ!? ごめん、ぼーっとしてた」
遠くへ行っていた意識が帰って来ると同時に、気まずそうに俺を見つめる。
あぁ、なるほど……。
「愛原、俺の予定の事は気にしなくていい」
「でも、何か手伝える事が――」
「大丈夫、俺が自分で解決しなければいけない事だから、愛原は動物園を存分に楽しめ」
「……うん」
納得してなさそうな不満気な頷き。
そんな愛原の背中を優しく押して、星崎に差し出した。
「星崎、頼んだぞ。愛原に何かあったらルミさんに殺されるからな」
「あ、あぁ、任せろ」
しどろもどろになりながら、頼りない返事をする星崎。
天城は満足そうに微笑む。
「じゃ、当日は隣街の駅まで愛原さんの事よろしくね」
「え、天城さん達は?」
「私も他の子も、自宅からだとバスの方が近いのよね。二人は電車の方が近いでしょ?」
「た、確かに……」
星崎はコクコクと何度も頷き、自分を落ち着かせているように見えた。
最近は気持ちが隠せなくなっているのか、反応が分かりやすくて面白い。
俺ですら気づく星崎の可笑しな言動。
それなのに、愛原が星崎を気にする様子は全く無く、心ここに非ずと言った様子で寂しげに笑っているだけ。
俺が二人の邪魔しているような気がして、罪悪感が込み上げた。
早く、アイツを見つけ出さないとな……。
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