ラディスは私を優しくベッドに寝かせてくれた。
横になって目を瞑り何度か深呼吸をしたら少し楽になった。
頬に冷たい感触を覚えて目を開けると、ラディスが私の頬に優しく触れていた。
先ほど私を悪夢から救い出してくれた手だ。
(ラディスだったんだ)
「熱が上がってしまったな。すまない、つい……」
申し訳なさそうに謝罪した彼に、私はゆっくりと頭を振る。
「それより、ここにいて大丈夫なのか?」
彼は団長だ。
やらなければいけないことがたくさんあるはずだ。それに……。
「あの女のことなら気にするな。とりあえずキアノスに任せてある」
「……あの子が本当に偽者だとしたら、何者なんだ?」
ふわふわとした可愛らしいあの子を思い出しながら言う。
ラディスは首を横に振った。
「わからん。単に聖女として持て囃されたいだけか」
それから彼は声をひそめ続けた。
「……戦を早めたい誰かが送り込んだという可能性もある」
「!?」
そうか。聖女が現れたということは、もういつ戦が始まってもおかしくないのだ。
戦が始まるということは、ラディスや騎士になったばかりのイリアスだって戦地に赴くことになる。
「だから今、慎重に探りを入れているところだ」
「そうか……。あ、でも聖女がふたりいるって可能性は?」
横になって目を瞑り何度か深呼吸をしたら少し楽になった。
頬に冷たい感触を覚えて目を開けると、ラディスが私の頬に優しく触れていた。
先ほど私を悪夢から救い出してくれた手だ。
(ラディスだったんだ)
「熱が上がってしまったな。すまない、つい……」
申し訳なさそうに謝罪した彼に、私はゆっくりと頭を振る。
「それより、ここにいて大丈夫なのか?」
彼は団長だ。
やらなければいけないことがたくさんあるはずだ。それに……。
「あの女のことなら気にするな。とりあえずキアノスに任せてある」
「……あの子が本当に偽者だとしたら、何者なんだ?」
ふわふわとした可愛らしいあの子を思い出しながら言う。
ラディスは首を横に振った。
「わからん。単に聖女として持て囃されたいだけか」
それから彼は声をひそめ続けた。
「……戦を早めたい誰かが送り込んだという可能性もある」
「!?」
そうか。聖女が現れたということは、もういつ戦が始まってもおかしくないのだ。
戦が始まるということは、ラディスや騎士になったばかりのイリアスだって戦地に赴くことになる。
「だから今、慎重に探りを入れているところだ」
「そうか……。あ、でも聖女がふたりいるって可能性は?」



