男装聖女は冷徹騎士団長に溺愛される


「……」

 バツが悪くて答えられないでいると、ラディスは言った。

「俺が、好意を伝えたからか」

 私は下を向きながら目を見開いた。

 ――好意?

「自分でも、いささか急過ぎたとは思っている。もし迷惑だったのなら、はっきり言って欲しい」

 珍しく歯切れの悪い、弱気な声を聞きながら私は目線を上げていく。

「好いた女に避けられるのは、存外キツい」

 眉を下げ、なんだか情けない顔をしているラディスに、私は呟くように言った。

「……好いた女って?」

 すると、ラディスは凄くへんてこな顔をした。

「……先日、伝えたはずだが?」
「……ほかの奴に触れさせるなとは聞いたけど」
「……」
「……」

 少しの沈黙の後、はあ、とラディスはめちゃくちゃデカい溜息を吐いた。